航空機 STARTER-GENERATOR 原理 仕組み 

航空機のSTARTER-GENERATORの仕組みについてお話します。

 

航空機に搭載されている発電機と起動機とは、

エンジンを始動する為のSTARTER と エンジン始動後に電気を発電する為のGENERATORが一体になったものとなります。

 

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STARTER-GENERATOR

 

エンジンは、①の部分にSTARTER-GENERATORが取り付けられます。

 

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ENGINE

 STARTER-GENERATORのシャフト部は、エンジン内部のN1ギヤに接続されております。

まずタービンエンジンは、始動をするためにN1を駆動(回転)させる必要があります。


N1を回転させると空気を取り込み始め、一定回転以上になると燃料及びイグナイターにより燃料が点火され自立回転が行われます。

 

 

STARTER-GENERATORの内部構造

まずSTARTER-GENERATORでは、どういう内部になっているか説明していきましょう。

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STARTER-GENERATOR内部
  • DRIVE SHAFT
  • DAMPER ASSEMBLY
  • COMPENSATION WINDING
  • ARMATURE
  • STATOR
  • TRARMINAL BLOCK
  • BLUSHES
  • BALL BEARING
  • COMMUTATOR
  • FAN
  • EXCITATION WINDING

 

STARTER-GENERATORの内部配線図

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  • A+端子 INPUT
  • EXCITATION WINDING
  • D端子BALANCE
  • ARMATURE and BLUSHES
  • E-端子GROUND
  • COMPENSATION WINDING
  • C+端子STARTER INPUT
  • STARTER WINDING
  • B+端子GENERATOR OUTPUT

いろいろなものが付いていてよく分からないとなるでしょうが、一から説明していきますのでご安心くださいね。

 

 

スタート時の電気の流れ

それではSTARTERでは、どういう電気の流れになっているか説明していきましょう。

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START時の回路
  1. ENGINE START スイッチをONにするとBATTERYからの電力をC+端子へ入力し、STARTER RELAYが励磁されE-端子に落ちます。
  2. 次にSTARTER WINDING(フィールドコイル)が、励磁されてBATTERYからの電力供給が行われます。
  3. STARTER WINDING(フィールドコイル)が励磁されることで、ARMATUREが駆動されます。(フレミング左手の法則)
  4. ARMATUREが駆動されることで、DRIVE SHAFTが駆動されて、ENGINE N1軸が駆動される。
  5. ENGINEが自立運転したらSTARTER RELAYの励磁が外される。

BATTERY → C+端子 → E-端子
という流れとなっております。

 

レミング左手の法則とは、

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レミング左手の法則



  1. 中指が②STARTER WINDING(フィールドコイル)の電流方向、
  2. 人差し指が②STARTER WINDING(フィールドコイル)の励磁方向
  3. 親指が③ARMATUREが駆動方向

となります。

 

 

 

 発電時の電気の流れ

それではGENERATORでは、どういう電気の流れになっているか説明していきましょう。

 

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GENARATOR時の回路

エンジンが自立運転を始めたら、N1軸はエンジンの力により駆動されます。

 

  1. STARTER RELAYの励磁が外されたと同時に、GENERATOR RELAYが励磁されます。
  2. エンジンの回転によりDRIVE SHAFTが駆動されて、ARMATUREが回されます。
  3. ARMATUREが磁界を発生させる。(フレミング右手の法則)
  4. COMMUTATOR で電流を受け取り、ブラシで整流することで、電気を取り出すことが出来ます。
  5. B+端子で電力出力を行っている。

という流れとなっております。

 

レミング右手の法則とは、

 

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レミング右手の法則
  1. 親指が②エンジンの回転により、ARMATUREを回転。
  2. 人差し指が③ARMATUREが磁界を発生。
  3. 中指が④COMMUTATORで電流を受け取り、ブラシで整流。

 


それでは他の端子も見ていきましょう。

COMPENSATION WINDING(補償巻線)とは、何をしているのか。

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結論から言いますと、電機子反作用の防止を行っております。

 

電機子反作用とは、

直流機に負荷が加わり、電機子巻線に電流が流れると電機子電流によっても磁束が発生します。
それぞれの磁束を合成すると、磁束の流れに偏りができ、界磁がつくる主磁束の分布に悪影響を与えます。
この現象を「電機子反作用」といいます。
この大きさは、電流の大きさに比例していき、最悪COMMUTATORとブラシを熱損させます。

下記のブログで詳しく説明されております。

https://e-sysnet.com/wp-content/uploads/2020/01/kikai2.jpg

電機子反作用の対策として、

電機子電流による磁束を打ち消す方法があります。
電機子電流による起磁力を打ち消すため、磁極片の表面に取り付けて電気子電流と逆向きの電流を流して電機子反作用起電力を打ち消します。

 

BALANCE端子とは、何をしているのか。

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結論から言いますと、取り出す電流(電気)を一定にするためのものです。
BALANCE端子は、B+端子から出力される電気を機体で使い切った後の電気容量を確認して、D端子とA+端子でEXCITATION WINDINGに励磁量を変化させることで、取り出す電気を一定にすることができます。

 

以上が航空機に搭載されている一般的なSTARTER-GENERATORの仕組みとなります。

これ以外にも2つのエンジンを搭載した機体であれば、GENERATORの並列運転も行わなければなりません。

 

また並列運転の方法もUPしていきたいと思います。