エアバスヘリコプターズ式 EC135について

エアバスヘリコプターズ式 EC135についてお話します。

航空整備士資格受験するにあたり、実地試験等ではこの概略内容も押さえておかないといけません。 航空整備士は機体の全ての知識を詰め込んでおり、航空法も網羅しております。

なので飛行機に乗られる方は、安心して乗って下さい。

 

 

 

f:id:Bomcat:20200608101654g:plainhistory
グラスファイバー製ローターブレードを装着した最初のユーロコプター製ヘリコプター(MBB -メッサーシュミットベルコー等)は、1957年に初めて飛行した BO102 (訓練専用機)で、1961年、単座席ヘリコプター BO103がこれに続いて運用された。これらは、1枚(!)のローターブレードで飛行する唯一のヘリコプターである。
1962~3年、新しいヒンジレスローターシステムが開発され、フランス・マリニャーヌ地方でアルウエットⅡ ヘリコプターに装 備され運用が開始された。
1960年から64年にかけて、Derschmitt (ダーシュミット)製ローターシステムを装着した高速ヘリコプター BO 46が開発され、1964年、これらヘリコプターは、全備重量2.5トン、多目的用途の双発ヘリコプター BO105 に引き継がれた。
1988年10月15日、運用年数が20年を経過したBO105 の代替機として BO108 が開発され、初飛行する。
この種ユーロコプター製及び競合機を運航するであろう顧客の一般的な要望事項は、 安い DOC(Directoperating cost: 直 接運航費 、高い信頼性、安全性、 多様性、運用の円滑性、 振動レベルや機内外ノイズの低減等の静穏性を含めた快適性を実現できる機体であり、具体的には 、機内スペースの増加と高視界性の確保のほか、例えば、乗客搬送から荷物搬送用務へ簡単に変更できるような平らな床を有するなど、任務に柔軟に対応できることであった。これら要望事項は、ユーロコプター社が創立した CHAT Commercial
Helicopter Advisory Teams :米国及び欧州の大手オペレーターから構成)によりもたらされたものである。
そのため、1992年後半、 BO108 の配列スペース(搭乗員2人・乗客3人)を 5 シートから 7 シート・キャビンに拡大するため、胴体をストレッチ・タイプに変更して 5人の乗客が搭乗できる機内デザインに改修され、さらにアエロスパシャル製の反トルクシステム ・フェネストロンの採用装備、さらには CHAT の意見を採り入れてコーション
関係以外の計器を従来と同じくアナログ方式にするなどして、 BO108 プロトタイプ にかなりの改修を加え発展させたヘリコプター EC135 が開発され、今日に至っている。

飛行試験
EC135 は、各種飛行試験に 際して、あらゆる状況下において取り扱いが容易であることが実証された。
主な飛行試験の過程は次のとおりである。
1988年10月15日 BO108 ヘリコプターに装備されたヒンジとベアリングのない4枚ブレードローターシステムを持つヘリコプターが初飛行成功

1994年 2月15日 再設計してフェネストロンを装着した EC135 ヘリコプター・プロトタイプ番号「 S ‐01機」が処女飛行を終え、

1994年4月16日に「 S ‐02機」が、その年の晩秋に「 S03 機」が続いて、3機により試験 飛行を継続

1996年中期 ドイツ民間航空局( LBA )及びアメリカ連邦航空局 FAA )の機体型式証明取得

1996年中期 初号機(VFR用)引渡し開始

1997年前期 ドイツ民間航空局( LBA )及びアメリカ連邦航空局 FAA )の計器飛行用型式証明取得
199?年 日本民間航空局( JCAB )機体型式照明取得、初号機(第百商事?)引渡し開始
2000年? 日本民間航空局( JCAB )の計器飛行用型式 証明取得
2001年3月30日 道警航空隊へ製造番号170号の EC 135( JA02HP )の引き渡し完了

 

設計目標
1 基本目標
小型双発ヘリ(2,720 Kg N 類)以下のカテゴリー将来の新規制の諸用件を満たす設計基準の採用(ICAO、 FAR29 、TA類等)

2 安全目標
重要装備品の2重装備(システムリダンダンシー ハイドロ、オイルクーーリング、電気系統)乗員/乗客の生存性の確保


3 コックピットにおける人間工 学的アプローチ
外部視界の確保、パイロットの負担軽減、操縦性の改善


4 対費用目標
安価な機体購入価格( 警察庁機入札価格 2.98億円
直接運航コスト( Direct Operational Cost DOC )の低減


5 快適性の追求
振動レベルの低減
外部騒音/キャビンノイズの低減
優れた視界を有するキャビンスペース

 

EC135ヘリコプター概要
EC 135は、先進技術を数多く取り入れた多用途軽量双発ヘリコプターである。
-進化したヒンジレス・ベアリングレス・メイン・ローター
-新世代4枚ローターブレード
-新型トランスミッション・マウント機構( ARIS
-FADEC 付き新世代エンジン
-複合材製エアフレーム
CDS 付き最新型計器盤

 

型式
EC 135は、エンジン型式によって異なる次の2つの基本バージョンから選択できる。
EC 135 P (プラット&ホイットニー社製 PW 206 B エンジン搭載 道警機
EC 135 T (ターボメカ社製 ARRIUS 2 B1 エンジン搭載)

 

基本的特徴
EC 135は、次の必要条件に適合するように設計されている。
CAT A のエンジン単体性能に完全に適合した動力装置及びエンジン
ハイドロシステム、オイル冷却装置、電気系統の完全2重装備及び燃料供給装置の完
全独立性
最新ヒンジレス・ベアリングレス・メインロー ター・システムによる飛行性能と低直接運航
経費( DOC
騒音軽減と地上運用の安全性に優れた新開発フェネストロン
タービンブレード破裂時の飛散防止機能付きエンジン
墜落衝突時の火災の危険を最小限にする燃料系統
対墜落衝撃用シート(全座席)
衝撃吸収用降着スキッド
機体及び動力部位におけるフェイルセーフ機構又は 対損傷性

 

快適性
EC135 は、乗員及び乗客の快適性のため、以下の特徴を有する。
大きな窓と7名搭乗(乗員2名 乗客5名)の快適な居住空間を有した広々キャビン
大きなドア開口部(スライディングドア)とドアポストのないキャビンによる良好な乗降性
巡航時の機体水平姿勢保持(客室床面が水平)
操縦士のワークロード軽減
広い 視界を確保したコックピット・レイアウト
最新コックピット計器指示系統( CDS
人間工学を追求した設計(サイクリック・スティックやセンター・ポストなど)

 

シート配置
乗客輸送用
標準仕様 2+3+2座席
VIP 仕様 2+3座席

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シート配置
負傷者搬送用(ドクターヘリ)
1操縦士+1担架+3座席(医師、付き添い等)
1操縦士+2担架(並列搭載)+2座席(医師等)

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重量
空虚重量
P1- 1,480Kg 3,236Lb T1- 1,465Kg
最大全備重
量 2,720Kg 5,996Lb
外部吊り上げ最大重量 2,835Kg(6,393Lb※ 最大全備重量の引き上げについて
2000年4月6日、ドイツ航空局(LBA)は、EC135P1の最大全備重量をN
類上限の 2,720Kg より 2,835Kg へ増大することを承認(T1シリーズについては200
0年末ごろに承認見込み)し、CABもこれに倣って個別飛行規程の制限下において運用可能となっている。
N類上限を超えて運用する場合は、下記の運用制限が ある。
○ 最大超過禁止速度 140KT
○ 最大運用高度 10000FT
○ 最大離発着高度 5000FT
○ 運用外気温度 - +
○ 下記追加装備の使用は認められない。
1)2名操縦士IFR(運用)
2)非常フロート(運用)
3)外部ホイスト(運用)
4)ハイ・スキッド(装備)
1担架
2担架
※ ローター回転中でも簡単迅速に搭載可能
但し、排気がかかり難がある
胴体後部のクラムシェル・ドア
基本空虚重量
標準装備品、任意装備品、使用不能燃料、トランスミッション作動油、ギアボックス及び
エンジンオイル、ハイドロ油、ローター・ブレーキ・オイルから構成される。(飛行規程6章本文)
○ 機外騒音データは上空飛行時データで、機外騒音データは上空飛行時データで、81.4db81.4dbからから84.0db84.0dbに増大しているに増大している

 

エンジン
プラット&ホイットニー社製 PW 206 B エンジン搭載(FADIC装備)×2基 Pシリーズ
ターボメカ社製 ARRIUS 2 B1 エンジン搭載(FADIC装備)×2基 T シリーズ

 

エンジン性能

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トランスミッション
トランスミッションは、メインローター防振装置( Anti resonance Rotor Isolation System -ARIS)によって支えられ、2段の減速ギアボックスによりエンジンからの動力をメインローターに伝達する。

エンジン回転 →中間シャフト→ マスト 

 

メインローター
メインローターシステムは全複合材製の4枚ブレード及びハブを持ち、先進のヒンジレス・ベアリングレス・ローター(Bearing less Main Rotor -BMR)により、ローター内部のグラスカーボンファイバー製フレックスビームがフラッピング、フェザリング、リード・ラグ軸の動きに柔軟に対応し、ブレードのピッチ角は同じくグラスカーボンファイバー製のコントロール用カフ(cuffs 袖口の意)により制御される。
メインローターを制御するピッチリンク等の系統は一般的なものであるが、直接このカフを捻じ曲げて行われる。
メインローターのハイドロ系統は、直列ピストン駆動方式の2重装備で、一方の系統に不具合が発生した場合でも、残りの系統により十分なハイドロ圧が供給され安全な飛行及び着陸が可能である。

 

テールローター
10枚のブレードをダクトで囲む、進化型シュラウド「フェネストロン」を装備する。ラダ-ペダルの入力はフレックスボール型のケーブルを経由してフェネストロンレバーに 伝えられ、ヨー方向の制御を行う。

 

胴体
主要部材は軽合金で構成され、キャビンフレーム、底板、ドア、エンジンカウリング、前部アクセスパネル及びテールブーム全部が複合材で作られている。
搭乗口は、左右1個のヒンジ付きドア、左右1個の後部客室用スライディング・ドア、そして後部仕切りを関門開きできる1対のクラムシェル(=貝殻の意)ドアの6つのドアからなり、客室内に容易に乗り降りできる。

 

テールブーム
テールブームは胴体から切り離すことができ、円錐形のテールブーム、エン ドプレート付き水平安定板( horizontal tail plane )、テールローター一体型バーチカルフィン、テールローターギアボックス及びフェアリングから構成される。 テールブーム付け根より後方はフランス製 。前方がドイツ製。

 

燃料タンク
燃料系統は2個の燃料タンク、燃料供給システム、給油装置、接地機器、監視システムからなる。メイン・タンクと、片方のエンジン故障時にも20分間の飛行が可能な完全独立したサプライ・タンクがキャビン床下に設置されている。

 

電気系統
2個のジェネレーターと1個のバッテリーにより28VDCが供給され、電気系統は完全2重装備となっている。ぎんれい 2 号は追加装備でインバーター 2 個を装備している。

 

降着装置
クロスチューブとスキッドからなるスキッドタイプを採用している。

 

三面図
機体及びキャビン容積三面図、並びに機体参考図は以下のとおりである。
マストの前傾 10度前傾が一番効率良いがホバリング姿勢の都合により5度に設定
ス キッドの勾配 接地時のマスト・モーメント超過防止のため

 

 

今日はここまで

また個別で装備品の詳しい内容を投稿していきます。

 

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